本記事は、スピーキングの練習方法について解説しています。
オーバーラッピングとシャドーイングとは
スピーキングは、オーバーラッピング、シャドーイングと言われている練習が、基本になります。
1.テキストを見ながら、音声に合わせて読む(オーバーラッピング)
2.慣れてきたら、テキストを見ずに、音声に少し遅れて、聞いた通りに英語を再現する(シャドーイング)
シャドーイングで英語を再現できなかったところは、オーバーラッピングに戻り、もう一度テキストを見ながら、音声に合わせて読む練習をします。
それからまた、テキストを閉じて、シャドーイングを試みる。
このプロセスを繰り返します。
この方法は、おそらく、多くの人は、すでに経験したことがあるのではないでしょうか。
同時通訳の訓練にも取り入れられており、初心者からプロまで行う、スピーキング練習の基本になります。
この方法が優れているのは、英語を丸ごと練習できることです。
発音、リズム、イントネーションだけでなく、文法、語順、チャンク、処理速度まで、同時に鍛えられます。
また、リスニングにも効果があります。
仮に、スピーキングにそれほど必要性を感じていなかったとしても、リスニングを仕上げるためにも、取り込む価値はあります。
「話す」ということは、舌と唇を動かすこと。
英語と日本語とでは、その動かし方が違います。
最初は、舌と唇の筋肉を鍛えるところからスタートです。
筋トレに近い感覚です。
筋肉は、使えば発達し、さぼれば衰えます。
できるだけ毎日練習して、英語を発話する土台を作っていきましょう。
教材の選び方
リスニングの練習などで、すでに聞き込んだ教材をお持ちであれば、それをそのままスピーキング教材にも使うのがいいでしょう。
わたし自身は、受験期に学んだ「イングリッシュ・アドベンチャー」を、今でも練習に使っています。
かれこれ40年、受験のため、TOEICを受けるため、リスニングのため、スピーキングのためと、目的は変わりながらも、ずっと使い込んでいます。
もし、そのようなものをお持ちでなければ、選択には、下記を参考にしてください。
1.耳に心地よい音声
好きなナレーターを選ぶのがコツ
2.繰り返し聞ける物語
感動場面があると、グッド!
3.理解できる範囲の難易度
4.10日くらいで一周できる長さ(5~10時間)
短いと広がりなく、長いと間が空きすぎ
まず、一冊を聞き込み、オーバーラッピング、シャドーイングで使い倒すことをお勧めします。
その後、ネットにある動画などで、幅を広げていってはいかがでしょう。
基盤となる一冊 × ネット番組・ポッドキャスト・オーディブル
これが、最強です。
発音
発音の基礎は、高校までで、一通り学んでいるかと思います。
ネット上には、詳しく発音を教える動画もたくさんありますので、確認してみてもいいでしょう。
下記動画は、わたし自身も学ぶところが多かったです。
・フォニックスの基本(口の形と舌の位置の教える動画)
・実践的な発音
オーバーラッピングすると、自分の発音と、教材の差が、明確に分かります。
最初のうちは、学んだフォニックスを再現しようと、一生懸命、口を動かそうとするもの。
一語一語、口の形と舌の位置を、頭で考えて、合わせる。
非常に疲れます。
これを、無意識に行えるようにするのが、この練習の目的の一つです。
そのためには、自分の中に、音のイメージができあがっている必要があります。
音のイメージが、口を動かす感覚です。
完璧である必要はありません。
発音は一生かけて磨くもの。
発音を聞き比べながら、少しずつ、理想に近づいていけばいいのです。
教材から離れても、音を再現することができるよう、しっかりとイメージを持てるようにしておきたいものですね。
リズム
発音と一体となって音を作るのが、リズムです。
詳細は、下記記事を一読いただけると幸いです。
記事「英語のリズムを身につける方法」
オーバーラッピングすると、英語についていけるところと、ついていけないところが、明確に分かります。
ついていけないところが、あなたの弱点になります。
その克服に必要なのが、リズムの習得です。
(早口言葉ではありません)
まず、日本人は、一語一語を長く言う癖がついています。
強勢をつけた上で、一語一語を短く言う。
この練習が、リズムに乗るための基礎になります。
次は、ついていけないところの強化。
多くの場合、それは、弱音部になると思います。
弱音部は、弱く、短く、チャンク毎のかたまりで、一気に話されます。
また、連結などの音変化も発生します。
かなり練習を重ねないと、なかなかついていけません。
リスニングでも、同じところで苦戦したことと思います。
この弱音部を、しっかり、弱く、短くすることが、リズム全体に乗るカギになります。
特に、文字を見ないで、シャドーイングでもこなせるようになると、結果的に、適切な速度で話すことができるようになるでしょう。
イントネーション
オーバーラッピング、シャドーイングで、ぜひ、体験したいのが、英語のイントネーションです。
イントネーションは、日本語と英語では、まったく違います。
とはいえ、直感で理解できる場合も多い。
たとえば、末尾の調子が上がっていると、疑問文だと分かります。
皮肉な感じで、Thank youと言われれば、感謝されていないことが、感じ取れます。
睨み付けられて、Excuse me ! と激しい口調で言われたら、「もう一度言ってみろ!」と言っているんでしょう。
I said I don’t know.
と、saidが強調されたら、「言っただろ!」「何度も聞くな」的な意味合いですね。
リスニングでは、このように、あまり困ることはなかったのではないかと思います。
スピーキングでは、どうでしょうか。
教科書を開いてみると、英語は、イントネーションによって意味が異なる、と書いてあります。
場面ごとに、何十通りものパターンが、解説されています。
とても覚えきれるものではありません。
が、幸いなことに、直感で了解できるものが大半です。
知識として学ぶのではなく、オーバーラッピングやシャドーイングで、体験して学ぶのが適していると思います。
一つ重要なことは、直感で理解できるからといって、日本語とは異なる、ということです。
日本語の平板なイントネーションを持ち込まずに、素直に、英語のイントネーションを真似るのが大切です。
なお、イントネーションは、発音、リズム以上に、習得に時間がかかるかもしれません。
ただ、緊急性はないので、ご安心ください。
初級〜中級のレベルでは、イントネーションを使った高度なコミュニケーションは、まず、使いません。
感情を伝える必要があっても、喜んでいる、怒っている、困っているは、イントネーションが違っても、伝わるので、大丈夫です。
ですので、今は、ひたすら真似る、でいいと思います。
習得には、かなりの場数が必要です。
いずれ上級者になったときに、積み重ねが効いてくると思います。
次は英語の発想を身につけよう
オーバーラッピングやシャドーイングで、英語の音はかなり身につきます。
次は、話す「中身」ですね。
自由に話すには、「英語の発想」の壁を乗り越える必要があります。
次回からは、日本語と英語で特に異なる表現を、一つずつ見ていきたいと思います。
